三寒四温

この時期の気候と、うつとは似ている。

回復期には、4日調子のいい日が続けば、3日不調が続く。

昨日の会社での面談で、完全にうつ逆戻り状態～！

会社は(上司)、自分の業務として淡々と話しをするが、こちらの様子や

復職については、ハッキリ言って興味がないようだった。

俺には、遠巻きに退職勧奨されたように受け止められた。

久しぶりに完全うつモード全開！再発！

今更ながら、会社や上司に一部の期待をしていた俺がバカだったようだ。

自分の身は自分で守るしかない！と思った。

興味 湧くワク！

発病前の1～2年前頃から、それまで興味があった物や好きだった事に

全く興味が湧かなくなっていた。

俺は車が好きで、街を走っている車をどの角度から見ても、

一瞬で車名がわかる。

それがトンと車に興味が湧かなくなっていた。

そんな俺を見てか、嫁さんが一言・・・

『新しい車買おう！』

俺『マジですか！』

我が家では代々車は衝動買い！インスピレーション！

新車で買って初めての車検を受ける前に、新しい車に買い替えていた。

2～3年ごとの乗り換え！ってやつです。

これも俺の趣味？わがまま？道楽？に、嫁さんが付き合ってくれていたようだ。

さすが グッド・ワイフ！

ということで、今月新車が納車されるのを、待ち遠しく思えるようになったのは

興味がなくなっていた車にも、興味が出るきっかけになり、

それも回復傾向にあるということだろう。

よかったよかった！

うつ とは、『仮面ライダー変身～！』がうまくできないヒーローのようだ

家から1歩外に出る出勤前に、『ライダー変～身～！』

と、気合を入れて仕事モードに切り替えていた。

職場では、次から次に襲い掛かる仕事や難題という悪党を、

仮面ライダーの俺がキックやパンチ、必殺技でバッサバッサと倒していた。

俺は職場のヒーロー？　かっこいい～！

それがある日、いつものように『ライダー変～身～！』

ん？　なんか違うぞ？　

顔だけ仮面ライダーで、首から下はスーツのおじさん・・・

え？　もう一回　『ライダー変～身～！』

あれ？　今度は顔は仮面ライダーだけど、スーツにネクタイ、

下はトランクス1枚に黒の靴下と革靴・・・

ええ～い、悪党共どこからでもかかってきやがれ！！！

バーン！ドーン！バシッ！ドスッ！ゲッ！オエッ！

あっという間に、ヒーローは悪党にコテンパンにやられてしまった。

思うように変身できない。いつものように活躍できない。

なんで変身できない？なんで顔だけライダーで下はトランクス1枚？

なんで悪党はもう少し手加減してくれないの？

なんで自分だけ？　まさか俺に限って仮面ライダーに変身できないはずがない！

認めたくない。認められない。

本当はかなり前から、パッと見は仮面ライダーだけど、よ～く見ると

革靴履いてる。とか、仮面ライダーだけど黒縁メガネかけてる。とかで、

悪党共はクスクス笑っていたのかもしれない・・・

ようやく変身できない事に気付いた俺は、普通のスーツ姿で戦う事にした。

当然弱い！　悪党共も倒せない。すぐやられる。

ちびっこのヒーローにはもうなれないけど、女房・子供だけに襲い掛かる

悪党くらいなら、普通の俺でもなんとか蹴散らせるかな？

今日からは、女房と子供の為だけに

『ちょっとだけ頑張るオッサンに、変～身～！』

恐怖のバスタイム

一日の疲れを癒し、心身ともにリラックスできるお風呂の時間が

これまでは大好きだった。

しかし、うつ野郎が現れてからは、バスタイムが苦痛でしかない。

唯一、自分と向き合う以外ない時間であり場所。

湯船に浸かると、延々と頭の中によからぬ事がグルグル現れて、

頭も身体も洗わなければいけないのに、湯船から出られない～！

のぼせるじゃね～か、この野郎～！

グッドワイフ (奥様はカウンセラー)

朝起きて、朝食食べて、薬飲んで、新聞読んで

少しテレビ見て、昼食食べて、散歩して、パソコンして

少しテレビ見て、筋トレ少しして、夕食食べて、薬飲んで

少しテレビ見て、薬飲んで、お風呂入って、寝る。

延々と、このルーティーンでの生活を約半年近く続けて来た。

あっ！、一応料理ができないので、料理以外の家事はしていたが・・・

その間、妻は何一つ文句も言わず、朝から夜遅くまで仕事に出てくれていた。

俺の病院の日に合わせて、仕事を休んで車で病院に連れて行ってくれる。

全く妻には頭が上がらない！

これまでも、自分の好き勝手な言動に付き合い、ジェットコースターのような

結婚生活だったと思うが、ここきて『今度は　うつ？マジですか～？』

と内心は思っていることだろう。

それでも、俺の説明しにくい症状を『うん、うん、だったらこうしてみる？』

と、いつも真剣に話を聞いてアドバイスしてくれる。

俺には最高のカウンセラーだ！

いい人 や～めた！

特別、会社で出世したかった訳でもなく、ただ周りの人から

『いい人』と思われたい自分がいて、その為に

上司の要望をいち早く察知し、

部下には冗談を交えてリラックスムードで接する癖がついていた。

しかし、やはりそこは仕事！

さぼる奴には厳しく注意・指導したのが運のつき。

一転パワハラ上司扱い！

今思えば、かなり調子に乗っていたようだ。

自分は部下からも好かれていて、何を言っても許される。

そこそこ実績も出しているから、会社も何かあっても俺をかばってくれるだろう。

ても俺的には、上司と部下のパイプ役をうまくこなしていたつもりだったが、

そのパイプがいつのまにか詰まり、血栓を起こし破裂した。

メンタルの心筋梗塞・クモ膜下出血状態！

結局10人に好かれようとしたら、10人の希望に自分を合わせ

本当の自分を見失った。

『これからは、いい人やめて、このままの俺で行こう！』

天国から地獄

自分で言うのも何だが、会社では上司からも信頼され部下からも慕われ、

そこそこ会社の評価も良かったと思う。

※上記が後に自分自身の首を絞めていたことに気づくこととなる

上司の要望には可能な限り答え、部下の相談にも積極的に乗り、

ベテランだが乗りもよく、まじめな時はまじめ、気を抜く時は少々ふざける

こともできていた為、幅広い年齢層からの支持はあったと思う。

しかし、ある日を境に上記が全く真逆の方向へと進みはじめた。

アドラー曰く、『全ての悩みは、人間関係の悩みである』

まさにその通りだと、うつってみて初めて分かった。